【ご報告】これまでの大規模自然災害から考える現在の被災者支援制度in静岡
3月26日土曜日、「これまでの大規模自然災害から考える現在の被災者支援制度in静岡」をオンラインにて開催いたしました。
配信は、特定非営利活動法人静岡県ボランティア協会様のご協力のもと、登壇者は、静岡県ボランティア協会様が入居されている、静岡県総合社会福祉会館シズウエルに集合した形で行いました。
当日は、全国から士業・NPO・研究者等々、60名ほどのご参加をいただきました。改めまして、ご参加いただきました皆様にお礼を申し上げます。
はじめに、311変える会メンバー菅野拓(大阪市立大学准教授)より、「311変える会からの提案」を具体的なケースをふまえお伝えさせていただきました。
次に、「熱海豪雨災害の支援現場からの報告」として、静岡県被災者支援コーディネーター 鈴木 まり子さん、弁護士 永野海さん、災害対応NPO MFP 代表 松山 文紀さんより、令和3年7月伊豆山土砂災害の支援状況をふまえたお話をいただきました。
鈴木さんからは、ホテル避難所における女性対象の被災者支援コーディネーション事例や、被災家屋の片付けにおける被災者支援コーディネーション事例等を共有いただき、コーディネーターが発災時にスムーズに活動に入ることができるための仕組みづくりや、コーディネーター人材の確保(専属を置くための仕組みづくり)などの必要性を述べていただきました。
永野さんからは、損壊建物の判定基準が実際にかかる修理費用に見合っていない点や、災害救助法の現物主義ではなく、家賃補助制度へ変更するべきの指摘をいただきました。また、弁護士の関りとして支えあいセンターが専門士業の相談窓口を紹介する程度の連携ではなく、支えあいセンターが個別訪問を踏まえて行っている日々の ケース会議という最上流部の場に参加することにより、災害ケースマネジメントの実現が可能になる示唆をいただきました。
松山さんからは、技術系NPOとして熱海の災害における初動から現在の関りまで詳しくお話いただきました。その中で、警戒区域の設定により、片付け、修繕、なども自由に入ることができない(月2回の一時立入のみ)現状や、警戒区域外の新築・購入は加算支援金の対象になるが、現状警戒区域内は加算支援金の対象外であることについて問題的いただきました。
後半は、311変える会代表の阿部も加わり、鈴木さん、永野さん、松山さんと必要な支援制度及び法改正について、菅野のコーディネートでパネルディスカッションを行いました。311変える会が提案する内容について同じような認識であることや、加えて必要となる要件についてなど、活発な意見交換が行われました。
今回のシンポジウムでは、支援現場の最前線で活動されている皆様から生の声を伺うことができ、改めて現行の法律では解決が難しい部分が多々あることを理解することができました。このような場を今後も全国数か所で開催し、より理解と認識を深めてまいりたいと思います。引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。
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